晴れて転職でき、心機一転のタイミングにもかかわらず、転職先でつらさを感じている人は多いのではないでしょうか。
この記事では、転職後に辛いと感じる原因や、いつまでつらさが続くのかについて紹介していきます。
また、転職先でのつらさを少しでも和らげる方法についてもお伝えするので、まさに今、「入社したばかりでつらい!」と感じている方は必見です。
転職後「最初はつらい」と感じるのはあるある?
転職して「つらい」と感じているのは自分だけ?と不安になることもありますよね。
転職して新しい環境に飛び込んだとき、「最初はつらい」と感じるのはごく普通のことです。
特に中途入社の場合、既存のチームや部署に馴染むのには時間がかかるので、最初の1週間は不安やストレスが増すことが多いでしょう。
新しい職場の文化や、業務フローに慣れるまでの期間は人それぞれですが、最初の1週間から1カ月が特につらいと感じやすい人は大勢います。

一般的に、転職してしんどい時期はいつ?
転職後、しんどいと感じる時期は人によって異なりますが、最初の1〜3カ月がつらいと感じることが多いでしょう。
この時期は、新しい業務の習得や職場の人間関係への適応が必要となり、精神的なストレスがかかりやすいです。
最初の1週間で「本当にこの転職で良かったのか?」と悩むこともあるかもしれませんが、1〜3カ月を過ぎると徐々に仕事に慣れ、自信を取り戻していく人も多いです。
無理のないペースで自分を追い込まず、環境への適応を目指すことが重要ですよ。
転職後の「3カ月の壁」とは
俗に言う、転職後の「3カ月の壁」とは、転職してから3カ月経ったタイミングに、「退職したい」と考えてしまう現象のことを指します。
なぜ、1カ月や2カ月でなく3カ月なのか。これにはいくつかの理由が考えられます。
まずは、学習期間の終了時期がおよそ3カ月前後にあたるからです。新しい環境や業務に慣れるには一般的に約3カ月かかります。
この期間は「学習モード」とも言え、新しい業務やルールを吸収することに集中しているため、ストレスを感じても退職までは考えにくい傾向にあります。
しかし、3カ月ほど経つと1通りの業務に慣れ、業務の現実が見えてきます。この時点で、期待していたものと実際の仕事が異なると感じると、退職の選択肢を考え始めてしまうのです。
もう1つは、新しい環境への順応と疲労感がピークに達するタイミングという考え方もあります。
転職後の新しい環境に適応するためには、心理的・身体的にエネルギーを多く消費します。
最初の1〜2カ月は、新鮮さや挑戦マインドがモチベーションを維持できたとしても、3カ月を経過する頃には蓄積した披露がピークに達し、急に現実を見始める人もいます。
ただし、「3カ月の壁」という言葉があるくらいなので、多くの人が同様に陥る現象だと思えば、少し気が楽になるでしょう。
最初のつらさはいつまで続く?
一般的には、転職後のつらさは通常3カ月ほどで軽減しますが、半年から1年経ってもストレスや自信喪失が続く場合は、職場や働き方に根本的な問題があるかもしれません。
仕事内容や職場の雰囲気が合っていない場合、無理に続けると身体的・精神的にダメージを受けることもあります。
半年以上続くストレスに悩んでいるなら、早めに上司や周りの人に相談しましょう。転職は新しい挑戦ですが、無理をせず、長期的に働ける環境を見つけることが重要ですよ。

転職後「最初はつらい」と感じる原因
転職後に「最初はつらい」と感じる理由はさまざまです。新しい職場に慣れるには時間がかかり、初めの数カ月は不安やストレスを感じやすいものです。
ここでは、よくある原因を解説します。
仕事についていけずに自信喪失するから
新しい環境で、これまで経験していない仕事やルールに直面すると、仕事に追いつけないと感じることがあります。
中途入社の場合、即戦力として期待されることも多いですが、最初からスムーズにこなせるわけではありません。
そのため、ミスが重なると「自分はこの仕事に向いていないのでは?」と自信を失ってしまうことがあります。
まともに仕事を振られないから
新しい職場に入ったばかりの時期は、まだ信頼関係が築けていないこともあり、あまり重要な仕事を任されないことがあります。
これによって「自分はこの職場で必要とされていないのではないか」と感じ、疎外感を抱いてしまうこともあるでしょう。
このような状況が続くと、職場に馴染めないという不安が強まり、精神的につらくなる原因となります。
暇すぎるから
新しい職場で仕事量が少なく、やるべきことがない状態が続くと、仕事に対するモチベーションが下がることがあります。
特に「転職後したからこそバリバリ働きたい」という意欲を持っている人にとって、仕事がないことは大きなストレスとなるでしょう。自分の能力を発揮できず、物足りなさや焦燥感を抱えることになります。
勤務先や勤務時間など新しい環境に慣れないから
転職によって新しい勤務時間や通勤方法、オフィスの雰囲気などに慣れるのは時間がかかるものです。
特に、前職との違いが大きい場合は、適応に時間がかかり、生活リズムが乱れることもあります。
このような環境の変化に適応できないことが、転職直後の精神的なストレスの一因となります。
既存社員と関係構築できていないから
職場で既存の社員と良好な関係を築けていないと、孤立感を感じることがあります。
新しい職場に馴染むには、業務の習得だけでなく、人間関係を構築することが重要です。
しかし、入社して間もない時期は、同僚とのコミュニケーションが不足しており、孤立した気持ちになる場合もあるでしょう。
前職と比較してしまうから
転職後は、どうしても前の職場と新しい職場を比較してしまうことが考えられます。
前職でのやり方や雰囲気が今の職場と異なるため、「前の職場のほうが良かった」と感じることがあるのです。これは「隣の芝生は青い」の心理である場合もありますが、悩みの度合いによっては、転職後の不満を引き起こす大きな要因となります。
しかし、時間が経つにつれて、新しい職場の良さが見えてくることも多いので、焦らず適応することが大切です。
中途入社の社員に注目が集まるから
中途入社の社員は、どうしても周囲からの注目を集めがちです。
特に入社初期には「採用が成功だったのか?」といった目で見られることが多く、プレッシャーを感じる場面も少なくありません。
さらに、入社時に全社員の前で挨拶を求められたり、歓迎会と称した飲み会に参加させられたりすることもあり、このような場でストレスを感じる人もいるでしょう。
仕事環境が変わり体調不良になりやすいから
新しい職場環境に適応するのは、精神的なストレスだけでなく、身体にも負担がかかります。
転職後の環境変化によって体調を崩す人も多く、疲労感や睡眠不足が重なることで、さらに仕事がつらく感じられることがあります。
新しい勤務時間や通勤距離、オフィス環境に身体が慣れるまでは、無理をしないことが大切です。
入社前と入社後で大きなギャップがあるから
転職前に想像していた職場環境や仕事内容が、実際に入社してみると大きく異なることがあります。
自分が思い描いていた期待と現実の違いに対する落胆が、転職後のストレスを増大させる一因となるのです。

【年代別】転職後、「最初はつらい」と感じやすい原因
転職後に「最初はつらい」と感じる理由は、年代によって異なる背景や状況が影響していることもあります。
転職する理由や働き方に対する期待も年代ごとに変わるため、各年代がぶつかりやすい壁を解説します。
30代
30代での転職は、キャリアのステップアップやライフスタイルの変化を求めることが多いです。
この年代では、ある程度の経験やスキルを積んでいるため、転職直後から即戦力として期待されることが多く、プレッシャーを感じる場面もあります。
特に、新しい職場で「自分の能力を発揮しなければ」と思うあまり、失敗が続くと自信を失うこともあるでしょう。
また、人によっては仕事と家庭の両立を考える時期でもあり、転職先での労働時間や環境が想像以上にハードだった場合、体力的・精神的につらさを感じやすくなります。
30代は「仕事も家庭も」というバランスを取ろうとすることで、転職後にプレッシャーが一層強まる年代です。
40代
40代での転職は、管理職やリーダー職への挑戦、あるいはキャリアチェンジを目的とするケースが多いです。この年代になると、過去の職場で築いてきた経験やスキルに自信を持っている反面、新しい職場での適応に苦労することがあります。
特に40代では、新しい職場で「リーダーシップを発揮しなければならない」といった期待を背負いながらも、組織文化や業務プロセスに馴染むのに時間がかかる場合があります。
職場の若い世代とのコミュニケーションがうまくいかず、「自分のやり方が通用しない」と感じることが、転職後のつらさを感じる原因となることも……。
また、40代は家庭や将来の安定を重視するため、転職後に「この選択は本当に正しかったのか?」と不安になることが少なくありません。
50代
50代での転職は、定年を見据えたキャリア再構築や、体力的・精神的に負担が少ない働き方を求めるケースが多く見られます。
しかし、50代の転職には「経験やスキルはあるが年齢がネックになる」という壁があります。職場では若い世代が多い場合、自分のポジションが見つけにくく感じたり、年齢の差による疎外感を感じたりすることもあるでしょう。
さらに、新しい環境に適応するのに時間がかかることも、50代にとっては大きな負担です。特に、これまでのキャリアと新しい職場のやり方が大きく異なる場合、「自分の経験が役に立たないのではないか」と感じることもあります。
また、健康面や体力の衰えも影響し、慣れるまでの期間に体調を崩すことが多くなり、転職後のつらさを増幅させる要因となります。
転職後にできるだけつらさを和らげるための心得
転職後に直面するつらさは、多くの人が経験するものです。しかし、心の持ち方や行動次第でそのつらさを和らげることができます。転職直後のつらさは誰しもが経験するものですが、無理せず、自分に合ったペースで進めることが大切です。
ここでは、転職後のつらさを軽減するための3つの心得を紹介します。
頑張りすぎない・焦らない
転職したばかりの頃は、周囲に良い印象を与えたい気持ちや、早く結果を出したいという焦りが強くなるものです。
しかし、頑張りすぎると早々に燃え尽きてしまうことも……。転職直後は、新しい職場に慣れるための「適応期間」として、何事も余裕を持って考えましょう。
仕事を完璧にこなそうとするのではなく、まずは環境や業務フローに慣れ、職場の文化を理解することが大切です。焦らず、1歩ずつ着実に進めていくことで、自然と自信もついていくはずですよ。
自分に合ったペースでコミュニケーションを取る
転職後につらさを感じる要因として、新しい人間関係の構築が挙げられます。
転職に限らず、見知らぬ人と新たに人間関係を構築することが苦手な人は、特にこの点でつらさを感じやすいはず。人によっては偽りの自分を作り上げて、演技してまで新しい職場に馴染もうとする人もいるでしょう。
しかし、このようなコミュニケーションの取り方をしていると、いずれつらくなります。
特に、はじめましての関係が苦手な方は、無理に周囲と打ち解けようとせず、自分に合ったペースでコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
最初は、挨拶や簡単な会話を通して少しずつ関係を築いていくのがポイントです。職場の同僚や上司に対して、聞きたいことや不安なことがあれば、遠慮せずに質問することで、信頼関係を築けるだけでなく、業務の理解も深まります。
焦らず、自然体で関わることが、長期的な関係構築につながります。
プライベートの時間を大切にする
転職後は、新しい環境に適応するためにエネルギーを多く消耗するため、仕事以外の時間もしっかりと確保し、リラックスすることが必要です。
休日や仕事終わりの時間は、趣味や家族との時間を楽しむなど、プライベートを充実させることで、心身ともにリフレッシュしましょう。
ストレスや疲労を溜め込んだままだと、仕事でのパフォーマンスも低下し、つらさが増してしまいます。バランスの取れた生活を心がけることで、転職後のストレスを軽減し、仕事にも前向きに取り組めるようになります。
休日くらいは仕事のことを忘れられるくらいがベストです。
転職後、辞めることを視野に入れてもよいケースは?
転職後につらさを感じることはよくあることですが、我慢し続けることが必ずしも正しい選択ではありません。時には、自分の状況や会社の環境を見直し、辞めることを視野に入れるべきケースもあります。
ここでは、転職後に辞めることを検討すべきケースをいくつか挙げてみます。自分の健康や将来のキャリアを大切にするために、無理をせず、適切な判断を下しましょう。
自分のメンタルが限界に達している場合
メンタルヘルスが悪化するほどのストレスを感じている場合は、辞めることを考えるべきです。
特に、仕事に対するプレッシャーや人間関係のトラブルが続き、不眠や食欲不振など、心身に影響が出ている場合は、無理をして続けることは避けましょう。
自分の健康を最優先に考えることが大切です。
明らかに会社側に問題がある場合
もし会社の体質や社風に問題があり、改善の見込みがない場合は、辞める選択肢を視野に入れてもよいでしょう。
例えば、パワハラやセクハラなどのハラスメント行為が横行している、過労死ラインを超える長時間労働を強いられる、労働条件が約束と大きく違うなど、法的にも問題のある状況が続く場合です。
これらの問題が放置されている会社に長くいることは、健康やキャリアに悪影響を及ぼす可能性が高いため、早めに対処することが重要です。
全く仕事についていけない場合
転職後に、どうしても仕事についていけず、業務が理解できない、成果が出せない状態が続く場合も辞めることを考えるべきです。
最初は慣れない仕事に苦労するのは当然ですが、数カ月経っても改善されず、周囲のサポートも受けられない場合は、職場や仕事内容が自分に合っていない可能性があります。
こうした場合、無理に続けるよりも、自分に合った新しい環境を探すことが、長期的に見て正しい選択となることもあります。
会社の将来性に不安を感じる場合
転職後、会社の経営状況や将来性に不安を感じる場合も、辞めることを視野に入れてよいでしょう。
例えば、経営が傾いており、給料の遅配やリストラの噂が絶えない場合、長く勤めることがリスクになる可能性があります。
会社の成長や安定が見込めない状況では、他のキャリアチャンスを検討することも1つの選択肢です。
転職後、ストレスのピークが続くようなら、短期離職するのもあり!
解説してきた通り、転職直後はさまざまな理由からストレスを感じやすい時期だといえます。
しかし、入社から1~3カ月は多くの人が同じようにストレスを感じやすい期間ともいえるので、まずは3カ月頑張ってみる、というのも1つの方法です。
とはいえ、3カ月を過ぎても一向にストレスが解消されない、もしくは今後も確実にストレス要因となる問題が表面化しているという場合は、退職の選択肢も出てきます。
「転職したばかりで短期離職なんて、情けない」
「短期離職をしたら、次の転職活動が不利になるに決まってる」
このように考える方もいるでしょう。
たしかに、同じスキルセット・キャリアで短期離職をした人としていない人がいた場合、企業は短期離職していない人を採用するという状況はあるかもしれません。
一方で、短期離職をした人であっても、ぜひ入社してほしいと考える企業もあります。
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