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転職先のレベルが高すぎてついていけないなら、辞めるしかない?

転職先のレベルが高すぎてついていけないのアイキャッチ

転職してみたものの、「レベルが高すぎて正直きつい」と感じていませんか?

周りはみんな仕事が速くて優秀、自分だけが空回りしている気がする――そんな焦りや不安を抱えている人は少なくありません。せっかくキャリアアップを目指して踏み出したのに、ついていけない現実に落ち込んでしまうこともあるでしょう。

この記事では、転職先の「レベルの高さ」に圧倒されている人に向けて、よくある場面や原因、そこからどう行動すべきかをわかりやすく整理していきます。

目次

転職先のレベルが高すぎてついていけないと感じる瞬間

「転職前は理想的に見えた職場が、いざ入ってみると想像以上にハイレベルで、自分だけが置いてかれている。」

ここではそのように感じる具体的なシーンについて見ていきます。

周りの業務スピードが異常に早い

「一つのタスクをじっくり進めようとしているうちに、周囲の人たちは次々と別の仕事に着手している。」

メールの返信も資料作成も、まるで何手も先を読んでいるような速さで処理され、自分だけが置いていかれているような感覚になることがあります。

業務の遅れはそのまま信頼の低下に直結しそうで、常に焦りがつきまとうようになります

インプット量が膨大で、キャッチアップだけで1日が終わる

新しい職場では覚えることが多いのは当然ですが、インプットのレベルや量が常軌を逸している場合もあります。

業務用の社内資料に加えて、外部セミナーの動画視聴や書籍の指定が日常的にあるケースでは、仕事時間だけでは足りず、就業後や休日にも学習が必要とされることも

課題提出があったり、社内チャットで日々「おすすめ本」や「必読記事」が共有されたりする環境に、心が疲れてしまう人も少なくありません。

求められるアウトプットの質・量が身の丈に合っていない

「この業務ならすぐできそう」と思って取りかかったのに、求められる水準がまったく違った。資料一つにしても、構成や見せ方、言葉の使い方まで細かく詰められ、修正が何度も返ってくる。

社内では“初歩的な仕事”とされていても、完成度の基準が高すぎて、毎回のアウトプットに身構えてしまうようになります。特に前社との差が大きいほど苦労するでしょう

自律性が前提で、指示待ちだと置いていかれる

「やるべきことは自分で考えて動いて」と言われる職場では、受け身の姿勢は通用しません。

周囲は自分で課題を見つけ、関係者を巻き込み成果を出していく人ばかり。ベンチャー企業や新規事業部署にありがちなこの文化は、未経験の人にとっては戸惑いの連続です。

「周りを巻き込め」と言われても、具体的に何をどうすればよいのかわからず、孤立感が深まるケースもあります。

年齢関係なく優秀人材が揃っている

社歴や年齢ではなく、成果がすべてという文化の職場では自分より若い社員がチームリーダーやメンターを務めていることも珍しくありません。

「年上なのに、なんで自分が教えられる側なんだろう」と感じてしまい、素直に質問できなくなる人もいます。周囲が優秀すぎるあまり、自分の存在価値が見えにくくなってしまうことがあります。

会議やチャットの内容についていけず、何を話しているのか理解できない

会議やSlackなど社内用チャットのやりとりで、聞き慣れない略語や専門用語が飛び交い、何の話をしているのかすら掴めない場面もあるでしょう。

社内独特の“前提知識”が共有されており、新しく入った人が追いつくにはかなりの時間がかかる場合も……。

質問しようにも、誰にどこから聞けばいいのかがわからず、黙ってやり過ごしてしまうケースが増えてしまいます。

周囲の成果やパフォーマンスが圧倒的

「同じタイミングで入社した同僚が、わずか数カ月で上場企業から1,000万円超の案件を受注。別の社員は、有名な競合ベンチャーとのコンペで勝ち抜いた経験をさらっと語る。」

そうした実績が日常のなかで普通に飛び交い、自分との差をまざまざと見せつけられるような感覚に陥ります。

さらに、SNSや社内報などでメンバーの活躍が次々と紹介されると、周囲の勢いに圧倒され、「ここにいる意味があるのだろうか」と自信を失ってしまう人もいます。

周りと同じ目線で働けていないことを感じ続けると、徐々に仕事に行くのが辛くなります。

仕事のためなら多少の犠牲は厭わない文化

昼休憩もとらず、ランチはPC前で済ませる。週末にもチャットが活発で、資料のアップデートが共有される。「チームに貢献するためならプライベートを多少削っても当たり前」という文化に対し、違和感を覚える人も多いはずです。

決して強制されてはいないものの、“そうしないと置いていかれる”という空気があるため、自分のペースが保てず心が消耗してしまうことがあります。

転職先についていけないと感じている人の実際の声

X(旧Twitter)では、転職先でのレベルの高さについていけず、戸惑いや焦りを感じている声が数多く見受けられます。

「周囲の業務スピードや質に圧倒されている」「求められることは正論ばかりで反論できず、自分のキャパを超えている」といった不満や、「心が折れそう」「資料作成に丸一日かかるのに、周囲は定時退社している」といった自己肯定感の低下に関する投稿も多く見られます。

中には「転職してやりたかった仕事ではあるけれど、想像以上に厳しい現実に押しつぶされそう」と、自分で選んだ道だからこそ引き返せずに悩んでいる人も……。

こうした声からは、「レベルの高い会社に入れたこと」は一見ポジティブな結果のように見えても、実際には強いプレッシャーや自己否定感を伴いやすいことが伝わってきます。

「実力以上の会社に入ってしまった」は喜ばしいことではない?

レベルの高い環境に身を置くことで成長できる、という見方もあるでしょう。実際、「とにかく毎日頑張るしかない」と前向きに踏ん張る人もいます。

しかし、求められる水準が想像以上に高く、かつその状態が長く続くと、次第に日々の仕事が“成長の場”ではなく“苦行”に変わってしまいます

頑張れば何とかなるという気持ちは大事ですが、その差があまりに極端だと、毎日同じ空間で過ごすことすらプレッシャーになるケースもあります。

入社前にある程度の苦労は覚悟していたつもりでも、「ここまでとは思っていなかった」と感じる瞬間に、心がつぶれてしまう人も少なくありません。

転職先についていけないという事態に陥る理由

ではなぜ、「ついていけない」という状況に直面するのでしょうか。

よくある原因を4つお伝えします。

スキルセットを誤って伝えた

選考時、自信のない部分を「できます」と言い切ってしまったり、少し背伸びして実績を盛って伝えてしまった場合、実務に入ってからそのギャップが露呈します。

たとえば、Excelの関数は業務で少し使った程度なのに、「関数やマクロは使い慣れている」と言ってしまうと、入社後すぐに複雑なデータ集計を任され、対応できずに困ることになります。

結果、自分の首を絞めてしまうので中途の転職時は特に注意するべきです。

企業の教育・サポート体制が整っていない

実力差があっても、丁寧にオンボーディングしてくれる会社なら、時間をかけて適応できます。ところが、急成長中のスタートアップや小規模な事業部では、教育担当がいなかったり、マニュアルが整備されていなかったりすることも珍しくありません。

「わからないことがあっても誰にも聞けない」「気づけば放置されていた」などのケースでは、早期に孤立感を抱きやすくなります。

入社後の仕事内容が選考時の説明と異なる

選考段階では「ポテンシャル採用なので、まずは学びながらで大丈夫」と言われていたのに、実際は即戦力扱いで、初日から前任者の業務をそのまま引き継いだ……。

こうした声もよく聞かれます。

ほかにも、聞いていた仕事は業務全体のごく一部で、実際はまったく想定していなかった部署への異動が前提だったなど、入社後の現実と説明内容に大きな差があると、戸惑うのも無理はありません。

そもそも自分の実力を見誤っていた

前職では「頼れる存在」だったのに、転職先では「それ、基本スキルだよね?」という扱いを受ける。たとえば、数字分析についても、前職では売上の月次推移を見るだけだった人が、転職先ではBIツールを使いこなし、SQLで抽出・分析・考察まで求められるなど、スキルの基準が大きく異なるケースがあります。

また、企画書ひとつにしても、前職ではテンプレートに沿った資料で十分だったのに、転職先ではストーリー構成、図解、トンマナまで求められ、そもそもの“完成形の基準”が違うことに愕然とする人も少なくありません

こうしたズレが複数重なると、転職直後から強いストレスを感じやすくなります。

転職先のレベルについていけないときの選択肢

どうしても転職先の社員と自分の実力差を埋められず苦しい場合、主な選択肢は以下の3つになります。

耐え忍ぶ

まず頭に浮かぶのは、「なんとか今の環境に食らいつく」という選択です。実際、一定の時間が経てば仕事に慣れ、徐々に成果が出るようになる人もいます。周囲の高い水準に引っ張られて自分も成長できるというのは、この選択の最大のメリットです。

一方で、自分にとって過剰なレベルに無理やり合わせようとし続けると、心身をすり減らすリスクがあります。「努力が足りない」「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い詰めた結果、うつ症状やバーンアウトに繋がるケースも……。

えるという決断をするなら、自分の限界ラインを見極めながら取り組むことが前提となるでしょう。

相談する

次に考えたいのが、信頼できる上司や人事に相談することです。「ついていけない」と素直に打ち明けるのは勇気がいりますが、そこから業務量の調整やサポート体制の強化、あるいは部署異動などの対応につながる可能性もあります。

また、企業によってはジョブローテーションやポジション変更に柔軟なところもあり、適性のある部署に配置されれば一転して活躍できるケースもあります。

ただし、会社側に受け入れ体制がないと「甘えている」と見なされるリスクもゼロではありません。誰に、どう伝えるかも含めて、慎重にタイミングを見計らう必要があります。

退職する

どうしても環境に適応できず、心身にも支障をきたしているようであれば、退職という選択肢も視野に入れる必要があります。無理して働き続けて壊れてしまうくらいなら、一度立ち止まって再スタートを切るほうが建設的な場合もあります。

ただし、「レベルが高すぎてついていけなかったから辞めた」という理由は、次の転職活動でマイナスに捉えられやすい側面もあります

「やりきった感」や納得感のない退職は、“またすぐ辞めるのでは?”という懸念を生みやすくなるため、退職前に振り返りや棚卸しを行い、前向きな説明ができるよう準備することが重要です。

【FAQ】転職先についていけない人からのよくある質問

ここでは、2つの状況における「転職先についていけない」にフォーカスして解説します。

30代で仕事についていけないのはまずい?

「30代で仕事についていけない」と感じると、「もう若くないのに……」と一層の焦りを感じがちです。たしかに、20代であれば「まだ伸びしろがある」と前向きに見られる場面も多い一方で、30代では即戦力としての期待が高くなり、ついていけないと「期待外れ」「使えない」と思われやすいのも事実です。

ただし、30代の転職者でも未経験業界や職種に挑戦する人は珍しくありません。選考でどこまでギャップを説明していたか、会社側の想定とのズレがなかったかによって、周囲の印象も大きく変わります。

年齢よりも「誠実に向き合っているか」が重要視されるケースもあります

大企業への転職でついていけない人あるあるは?

前職が中小企業やスタートアップだった場合、大企業に転職した直後は、求められる水準や進め方の違いに戸惑うことが多いです。

たとえば、1つの資料を仕上げるにも、「誰に、何を、どこまで通すか」といった社内調整の手間や、複数部門との連携が必要になり、「こんなに動きが遅いの?」と驚く人も。一方で、アウトプットには高い完成度が求められ、根拠や数値、レイアウトにも妥協が許されません。

また、「暗黙のルール」や専門用語が飛び交い、自分だけ言語が違うような感覚になることも。前職では“自分なりのやり方”で回せていた仕事が、大企業では通用しないと感じて戸惑う人が多く見られます。

ただし、これは大企業→中小やベンチャーにいった場合、つまり逆パターンも然りです

「転職先のレベルが高すぎてついていけない」から辞めるのはあり?

「やってみたけど無理だった」「自分の実力じゃ到底追いつけない」。そんなふうに感じて、退職という選択肢が頭をよぎる人は少なくありません。無理を重ねて体調を崩してしまう前に、身を引くという判断も一つの選択肢です。

ただし、注意しておきたいのが“辞めた後”のことです。

「実力のミスマッチ退職」は選考で不利になる可能性あり

短期間での離職、しかも理由が「レベルが高すぎたから」では、選考担当者にネガティブな印象を与えかねません。「また同じように早期退職するのでは?」と懸念されることもあるでしょう。

とはいえ、ミスマッチは誰にでも起こり得ます。大切なのは、「なぜミスマッチだったのか」「自分はどう努力したのか」「次はどうしたいのか」を言葉にして伝えること。理由の整理と前向きな姿勢があれば、決して致命的にはなりません。

転職活動で見栄を張ることがミスマッチ転職につながる

転職は“勝ち取る”場ではなく、あくまで自分と会社の相性を見きわめるマッチングの場です。少しでも良く見せようと背伸びしすぎると、入社後に「こんなはずじゃなかった」と苦しくなるのは自分です。

とはいえ、企業側の情報開示が不十分だったり、選考時と実際の業務に差があったりと、ミスマッチが完全に防げるわけではありません。そうして短期離職してしまうことも、責められるべきことではないのです。

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悩みすぎて動けなくなる前に、一歩踏み出すことが大切です。

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この記事を書いた人

実際に転職先とのミスマッチにより、入社から18日で退職した「短期離職経験者」率いる編集チーム。短期離職や離職後の転職活動にまつわる情報を、リアルな経験も交えてお伝えしていきます。

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