第二新卒の肩書きで転職しようとするとき「実務経験がないから、職務経歴書の扱いがわからない」と悩みますよね。
新卒で入った企業を短期間で退職した場合でも、職務経歴書は必要でしょうか。また、職務経歴書に退職理由を記載すべきかどうかも気になるところです。
今回は、職務経歴書に書くことがわからない第二新卒の方に向けて、職務経歴書の必要性や書ける内容について解説します。短期離職理由や職務経歴書を用意しない場合の考え方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそも職務経歴書とは
職務経歴書とは、これまでの仕事の経験や実績をまとめた書類であり、自分がどのような業務に携わり、どのような成果を上げたのかを具体的に示すものといえます。
また職務経歴書は、転職活動において、採用担当者に対して自分の専門性や成果、仕事に対する姿勢をアピールする役割を果たします。
職務経歴書により、自分がどのような業務に携わり、どのような成果を上げたのかを具体的に伝えることができ、応募先企業での適性や即戦力としての評価を受けやすくなるでしょう。
第二新卒に職務経歴書はいらない?
結論、職務経験が浅い第二新卒でも、職務経歴書を用意するのが望ましいです。企業は職務経歴書から、仕事への熱意やこれまでの経験、強みを知りたいと考えているからです。
企業が第二新卒を採用する際は、実績や実務経験を重視しないことが多く、今後の可能性や仕事への向き合い方、応募した業種への適性を見るために職務経歴書を使います。
採用における判断材料が多いほうがよいため、職務経歴書を用意するのをおすすめします。
すぐ辞めた場合も職務経歴書は必要?
1カ月から半年ですぐに前職を辞めた場合も、職務経歴書を用意するとよいでしょう。「ほとんど仕事していないので、書くことがない」「すぐに辞めたのを知られると、企業からの心象が悪いのではないか」と感じるかもしれません。
しかし、職務経歴書に書けることを探し、自分の強みをアピールするほうが、人となりや仕事への姿勢が企業に伝わり、良い印象をもってもらえますよ。
また、短期間で退職した場合に「印象が悪いから」と職務経歴書に正確に記載しないと、以下に挙げる事態を招く可能性があります。
- 職務経歴書の空白期間に何をしていたかを面接で聞かれる
- 社会保険の加入歴で前職の勤務の有無がわかる
- 経歴詐称で内定を取り消される
すぐに辞めた場合でも、退職理由を添えて記載すれば、マイナスな印象を抱かれることを過度におそれる必要はありません。
第二新卒が職務経歴書に「書くことがない」と感じる理由
第二新卒は職務経験が浅く、大きなプロジェクトを先導したり、リーダーとしてチームをまとめたりした経験がない人が多いため、職務経歴書に「書くことがない」と感じやすいです。
- 本当は書ける内容はあるのに、自信がなくためらってしまう
- ほかの応募者に見劣りする内容だと不安に思う
- 職務経歴書は素晴らしい業績を書くものだと考えている
こうした状態だと「職務経歴書に何も書くことがない」と筆が止まってしまうのも無理はありません。
しかし、企業は素晴らしい経歴を確認するために、書類の提出を求めているわけではないことに留意しましょう。
採用担当者が第二新卒の職務経歴書で知りたいと考えていることは、以下のとおりです。
- 入社した後に成長が期待できるか
- 志望度の高さ
- 入社後の業務に性格やスキルが合うか
つまり、これまでの実績以外にも、職務経歴書に書けることはたくさんあります。
大学時代に打ち込んだことから得た思考法や、前職で身につけたプレゼンテーション力、傾聴力といったスキルなど、これまでの人生を棚卸しして強みを見つけることで、職務経歴書を充実させられます。
第二新卒が職務経歴書に書けること
ここからは、実務経験が少ない第二新卒が職務経歴書に書けることについて、くわしく紹介します。
仕事へのやる気
仕事に対するやる気や、応募先で働きたい気持ちを明確に記載しましょう。仕事に誠実に取り組む姿勢が伝われば、採用担当者から評価されやすくなります。
今までの業務を効率化するために工夫した点や、そのような工夫をしようと思った理由を、具体的に職務経歴書に書くとよいでしょう。
応募先への志望度
応募先への志望度が伝わるように、仕事への熱意が伝わる内容を書きましょう。
また、「前の職場のように、すぐに辞めてしまうかもしれない」という企業側の不安を払拭するために、退職理由や入社後に実現したい目標もあわせて記載するのをおすすめします。
ポータブルスキル
これまでの人生を棚卸しして、自分にある基礎的なスキルを見つけましょう。第二新卒は短いながらも社会人経験があるため、ポータブルスキルを獲得していることが多いです。
ポータブルスキルとは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのことです。仕事のやり方と人との関わりの2項目に大きく分けられます。
項目 | スキル |
---|---|
仕事のやり方 | ・現状把握 ・課題の設定 ・計画立案 ・スケージュール管理 ・状況への対応 |
人との関わり方 | ・上司との対話 ・顧客とのコミュニケーション ・報告、意見の述べ方 |
学生時代の経験や、社会人として働いた期間に得られたスキルを書くと、応募業種への適性が判断しやすくなります。また、あなたが企業で働く姿を、採用担当者がイメージしやすくなるのもメリットです。
また、アルバイトや前職で応募先に使えるスキルがある場合も、高く評価されやすくなるため、職務経歴書に積極的に記載しましょう。加えて、素直さや好奇心といった性格も貴重なスキルです。
出典:ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)|厚生労働省
学生時代のアルバイトを書くのはあり?
結論、第二新卒の職務経歴書に、学生時代のアルバイトを書いても問題ありません。
バイト経験から得られたスキルや、実際に任された仕事内容などを書けば、採用担当者のよい判断材料になります。
- 半年以上継続した
- 応募する企業で役立つスキルを身につけた
- 業務の改善に取り組み、上司から評価された
- バイトリーダーの経験がある
- 社員と同じ条件で働いていた
こういった経験がある方は、積極的に職務経歴書に記載しましょう。
第二新卒向け!職務経歴書の自己PRの書き方
第二新卒が自己PRを書く際に意識すべきポイントは、以下の3つです。
書くこと | 効果 |
---|---|
仕事で大切にしている考え方やこだわりを書く | 職務経歴書だけでは伝わらない人柄を知ってもらえる |
こだわりを貫いた行動の具体例を書く | 上記の考え方に基づいた行動のエピソードを書くことで、人物像が明確になる |
行動から得られた結果を記す | ポテンシャルが伝わるように、ささいな成果でも細やかに記す |
また、職務経歴書や自己PRは、履歴書と異なり決まった形式がありません。
採用担当者が読みやすく、あなたの魅力が伝わりやすいように構成を工夫できているかも、採用可否での大きな判断材料になります。
第二新卒の職務経歴書の書き方例
ここでは実際に、第二新卒の職務経歴書の書き方例を紹介します。
ぜひ、例を参考にオリジナルの職務経歴書を作ってみましょう。
職務経歴書
氏名:山田 太郎
住所:〒123-4567 東京都新宿区西新宿1-1-1
電話番号:090-1234-5678
メールアドレス:taro.yamada@example.com
職務経歴
株式会社ABC
営業部
2023年4月~2023年10月
- 業務内容
- 新規顧客の開拓および既存顧客のフォロー
- 営業資料の作成とプレゼンテーションの実施
- 顧客データの管理と分析
- 成果
- 3ヶ月で新規契約を5件獲得
- 顧客満足度アンケートで高評価を得る
スキルと資格
- 営業スキル:顧客対応、プレゼンテーション、データ分析
- 使用ツール:Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)、Salesforce
- 資格:普通自動車免許(AT限定)
自己PR
大学時代、私は学生団体のリーダーとしてイベントの企画運営を行い、多くの人々とのコミュニケーションを通じてリーダーシップと調整力を養いました。特に大規模なイベントでは、参加者が満足する結果を得るために、事前の準備とチームのモチベーション維持に力を注ぎました。こうした経験は、営業職においても非常に役立ち、顧客との信頼関係構築やチーム内での協力体制の構築に貢献しました。また、短期間で新規契約を複数獲得できたのは、粘り強く相手のニーズを引き出し、最適な提案をする能力が評価されたからだと感じています。
志望動機
貴社の〇〇事業に強く魅力を感じており、これまでの営業経験を活かして更なる成長に貢献したいと考えています。特に、貴社の顧客第一主義の姿勢に共感し、自分のスキルと情熱を持って挑戦したいと考えています。また、貴社でのさらなるスキルアップを目指し、新しい挑戦を続けたいと考えています。
実際の業務経験が短い場合は、学生時代の経験を具体的に盛り込み、自己PRの充実を図ることで、転職活動を有利に進めることができるでしょう。
第二新卒向けの職務経歴書テンプレートはある?
職務経歴書のテンプレートは、たとえば以下のページからダウンロードできます。ほかにも、応募業種ごとに用意されているサイトもあるため、書きやすそうなテンプレートを探してくださいね。
参考:履歴書・職務経歴書テンプレートダウンロード|マイナビジョブ20’s
【FAQ】第二新卒の職務経歴書に関するよくある質問
最後に、第二新卒の職務経歴書に関するよくある質問をみていきましょう。
短期離職理由は職務経歴書に書くべき?
短期で離職した場合は、理由を簡潔に職務経歴書にまとめましょう。
理由を述べる際は、ネガティブな表現ではなく、前向きな姿勢や自分の想いが伝わる形を目指してください。
たとえば体調不良が原因なら、退職をきっかけに体調管理を意識するようになったことを記すと、自分の課題としっかり向きあっていることを、採用担当者に知ってもらえます。
ほかにも、給与面の不満が原因で退職した場合は「実績が給与に反映される企業で働きたい」といった表現がよいでしょう。
職務経歴書がない場合、第二新卒の転職に悪影響はある?
職務経歴書がないからといって、無条件で不採用になることはないでしょう。
しかし、職務経歴書があるほうが、あなたの人柄やスキルが伝わりやすく、第二新卒の転職で有利に働く可能性があります。
職務経歴書を書く際に、自分の強みやスキルを見つけておけば、面接でも自信を持ってふるまえるはずです。また、職務経歴書の提出を必須にしている企業なら、職務経歴書を用意しないと面接まで進めない可能性が非常に高いでしょう。
「書くことがない」と諦めずに、今回紹介したポイントを意識して、あなたの魅力が伝わる職務経歴書を作成してくださいね。
職務経歴書に書くことがない第二新卒でも転職は可能◎
結論、書くことがなくても職務経歴書は用意したほうがよいでしょう。
あなたが第二新卒であることは、企業の採用担当者も分かっており、職務経歴書に書けるような業務経験があまりないことも理解しています。
だからこそ、ほかの求職者と差別化するために、学生時代の経験を含めた自己PRや志望動機、今後のキャリアプランなどを充実させる必要があるでしょう。
とはいえ、入社して3カ月以内などの超短期離職では、1年以上勤務歴のある第二新卒の人より不利になることもあるでしょう。
その場合は、超短期離職者向け求人サイト「Zerobase」の利用をおすすめします。Zerobaseに掲載している求人は、超短期離職前提のものばかりなので、短期離職した事実がビハインドになることはありませんよ。
また、掲載企業の多くが「すぐ辞めた=企業とのミスマッチだった」という考えをもっているため、短期離職者への理解があります。
短期離職後の転職活動をスムーズに進めることのできるZerobaseを、ぜひ利用してみてくださいね。