「転職活動して入社3カ月。なんとなく、職場が自分に合っていない気がする。」
まさに今このように感じている方も多いのではないでしょうか。
新しい職場に馴染むのは時間がかかるもので、特に3カ月目は、不安や不満がでる時期と言われています。そこから慣れていくケースもありますが、半年、1年が経ってもストレスがなくならないというケースもあるでしょう。
そこで本記事では、転職先が合わないと感じる9つのポイントを解説し、ケースごとに続けたほうがよいのか、辞めたほうがよいのか例を出しながら徹底的に解説していきます。
転職して3カ月、転職先が合わないと感じている方は必見です。
入社3カ月で「転職先が合わない」と感じるのはあるある?
転職して新しい職場に馴染むのは意外と大変なものです。環境が変わることで、これまでとは違った価値観や仕事の進め方に触れることも多くなり、戸惑うことは少なくありません。
特に入社から3カ月ほどのタイミングで「なんだか合わないかも……。」と感じるのは、よくあることです。
実は、3カ月という期間は仕事や人間関係が見えてくるタイミングでもあるため、「入社直後の不安」から「本当に合うか合わないか」の違和感に変わりやすいのです。
そんなふうに感じているのは、決してあなただけではありません。

転職後3カ月で辞める人の割合
転職してから3カ月で辞めることを考える人は意外と多いです。
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供するネオマーケティングがが短期退職者(入社から1年以内に退職した人)500名に向けて行った調査結果によると、短期離職者のうち3カ月以内で辞めた人の割合は、新卒入社で46.6%、中途の場合は57.7%となっています。
このデータ対象は、入社から1年以内に退職した人に限られるので、実際に入職した人全員を対象とすれば比率は下がりますが、少なくとも1年以内で辞める人のうち、およそ半数は3カ月以内に見切りをつけていることがわかります。
出典:短期退職に関する調査|株式会社ネオマーケティング

転職「3カ月の壁」とは?
「3カ月の壁」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
転職後の最初の3カ月は新しい職場に慣れるための重要な期間ですが、同時に、仕事のペースや人間関係がひと通り見えてくるタイミングでもあります。この時期に感じる違和感やストレスを「3カ月の壁」と呼ぶことがあり、多くの転職者がこの壁にぶつかるのです。
3カ月というのは、職場の人間関係や仕事内容に対して「慣れ」を感じ始める一方で、ミスマッチも浮き彫りになりやすい時期です。この「3カ月の壁」を越えられれば、新しい環境に少しずつ安心感や自信が生まれることが多いですが、越えられない場合は悩みが深くなりやすいです。
入社3カ月で転職先が合わないと感じるポイント
転職してから3カ月が経つと、入社直後の新鮮さが少し薄れ、実際の仕事や職場の現実がより鮮明に見えてきます。
この時期に「なんだか合わないな」と感じ始めるのは珍しいことではありません。ここでは、職場が合わないと感じる具体的なポイントについて、9つの視点からみていきます。
仕事内容が合わない
転職前に聞いていた仕事内容と、実際にやってみてわかる仕事内容が違うことはよくあります。
なお、先述したネオマーケティング社の調査結果によると、1年以内に自己都合退職した理由のトップは「思っていた仕事内容ではなかった」です。
面接や求人票で聞いたことと、入社してから経験する現実にズレがあると、「思っていたのと違う」と感じやすくなります。
例えば、「クリエイティブな仕事だと思っていたら、ほぼ事務作業だった」「新しい提案ができると期待していたけど、実は決められたことを淡々とこなすだけ」といったギャップが挙げられます。
違和感を感じた場合は、まずは上司や同僚とコミュニケーションをとって、仕事内容の調整ができるか相談してみるのも方法の1つです。

実力と求められるレベルが合わない
転職後に「求められるスキルが高すぎる」、逆に「簡単すぎて物足りない」と感じることもあります。スキルが追いつかない場合は焦りやストレスを感じやすくなり、逆に自分の実力より低い仕事ではモチベーションが上がりにくいものです。
こうしたミスマッチを感じたときには、まず「何が足りないのか」「どうすれば目指すレベルに近づけるか」を考え、目標をもって取り組むことが大切です。
スキルアップが難しい場合は、仕事内容の見直しを上司に提案するなど、自分の実力に合った役割を探ることも検討しましょう。
上司や同僚など人間関係が合わない
仕事環境で大きな要素を占めるのが、人間関係です。上司や同僚との考え方や働き方の違い、コミュニケーションスタイルの不一致などがあると、毎日の仕事が億劫になりがちです。
例えば、「上司があまり指導してくれない」「同僚の中で自分だけ浮いている」などの状態が続くと、会社に行くこと自体がストレスになってしまいます。
人間関係で違和感を感じた場合、まずは相手の仕事観や性格を理解し、自分なりの関わり方を見つけるよう心掛けるのも効果的です。
会社の雰囲気やノリが合わない
職場の雰囲気や文化も、仕事の快適さに大きく影響します。例えば「職場が体育会系で、体力勝負のイベントが多い」「静かすぎて何を話しても冷ややかに見られる」など、自分が想定していた環境と異なると感じると居心地が悪くなります。
雰囲気に合わない場合、無理に自分を変える必要はありませんが、どうしても合わないと感じる場合は、自分の働きやすい雰囲気の企業へシフトするのも1つの手です。
社風や働き方が合わない
企業ごとの社風や働き方も、自分と合わないと感じることが多いポイントです。
例えば、仕事で行き詰まったときに上司に相談しても「気合だ!」といった根性論のアドバイスしかもらえなかったり、昼休みは自分の席でささっと済ませるのが慢性化していたりすると、心地よく感じない人も多いでしょう。
社風に対して違和感を感じた場合、無理に合わせようとせず、自分にとって譲れない働き方の条件を再確認し、自分らしい働き方ができる職場を探すことが重要です。
労働時間や勤務形態が合わない
「前職よりも仕事の開始時間が早い」「残業が当たり前で、毎晩遅くなる」など、労働時間や勤務形態が自分の生活リズムに合わないと、仕事のパフォーマンスも低下しがちです。
また、リモートワークが希望だったのに、入社したらオフィス出社が必須であったなどのケースも見受けられます。
給与や待遇が見合わない
転職をする際に給与や待遇を重視する人も多いですが、実際に働いてみると「期待していた昇給がない」「福利厚生が想定よりも薄い」と感じることもあります。
給与や待遇に不満を感じる場合、まずは業務の成果を出して会社側と交渉するか、自分の希望に近い企業への再転職を視野に入れてみましょう。
ミッションや会社の理念が合わない
会社のミッションや理念への共感は、モチベーション維持に大切です。
しかし、実際に働き始めてから「企業の方針が理想と違う」「会社の目指す方向性に共感できない」と気付くこともあります。
自分が本当に価値を感じる理念やビジョンを大切にし、共感できないのであれば会社の理念を変えることは難しいので、自身が職場を変えるほうが得策です。
直感で合わない
「決まった理由はないけどなんとなく違う」と感じることもあります。理屈ではなく、直感的に「この職場は自分に合わない」と感じる場合、それは自分の潜在的な感覚がはたらいているサインです。
このような場合、会社に相談しても言語化することを求められ、話が進まないこともあります。
無理にその場に留まらず、自分の直感を信じて思い切って辞めるという選択肢もあります。ただし、辞める前もしくは後でもよいので、合わなかった理由をある程度明確にしておかないと次の転職でも失敗する可能性があります。

入社3カ月で転職先が合わないと感じた体験談
転職先が「合わない」と感じて悩むのは珍しいことではありません。むしろ、同じような経験をしている人がたくさんいると知ることで、少し気持ちが軽くなることもありますよ。
ここでは、実際に転職先が合わないと感じた人たちの体験談を紹介します。
Aさん(30代・営業職):仕事内容のギャップに悩む
Aさんは、成長できる環境を求めて転職しましたが、実際に仕事を始めると、期待とのギャップがあることに気付きました。聞いていた内容よりも単調で、成長に繋がるような仕事はほとんど与えられなかったのです。Aさんは、上司に積極的に提案し、仕事を少しずつ引き受けられるよう工夫しましたが、「まだ成長できる環境には達していない」と感じていました。3カ月の時点で迷いましたが、少し時間をかけて見極めることにし、半年後に環境が変わらなければ再転職を考えることにしたそうです。
このように、3カ月の時点で「半年のタイミングで判断する」など期限を決めて行動することは大切です。
Bさん(20代・ITエンジニア):人間関係の不一致で悩む
Bさんは、IT業界でのスキルアップを目指して転職しましたが、入社してすぐに上司や同僚とのコミュニケーションに悩まされました。チームがドライな雰囲気で、あまりサポートを得られない環境だったため、毎日の仕事がストレスになっていきました。転職して3カ月目には「ここで成長できるのか」と真剣に悩むように。最終的にBさんは、さらに成長できる他の職場で自分の力を発揮しようと考え、入社から半年後には新しい環境へと転職を決意しました。
会社や所属部署によっては、新メンバーの受け入れ体制が整ってないこともあります。
Cさん(40代・事務職):会社の理念に共感できない
Cさんは長年のキャリアを活かすために、ある企業に転職しました。最初は職場環境も整っていて働きやすいと感じていましたが、数カ月経つにつれて、会社のミッションや理念に違和感を覚えるようになりました。特に顧客対応の方針がCさんの価値観とは異なっており、「このままでは自分の仕事が楽しくなくなってしまうかもしれない」と感じたのです。会社の理念と自分の信念が一致しない場合、長く働くのは難しいと考えたCさんは、その後、自分が本当に共感できる理念を持った企業に再転職しました。
「自分の信念と合わない」という体験をしたからこそ、自分の信念をこれまでより具体的に理解できるようになったケースです。このように、転職での失敗は大きな糧になることが多くあります。
3カ月で「転職先が合わない」と感じた人が辞めるか悩んだときの判断基準
転職先が合わないと感じたとき、本当に辞めてしまうのが良いのか、それとも、もう少し続けたほうがよいのか悩む方も多いでしょう。
ここでは辞めるかどうかを判断する際に考えるべき4つのポイントについて解説します。
心や体に限界がきているか
もっとも大切な視点が、心と体の状態です。もしも精神的なストレスや身体的な負担が大きく、限界に近づいていると感じる場合は、思い切って退職するほうがよいでしょう。無理をし続けると、体調を崩したり、さらには燃え尽き症候群やうつ病などのメンタルヘルスにも影響が出る恐れがあります。
例えば、毎朝起きるのが苦痛だったり、休みの日も仕事のことが頭から離れなかったりする場合は、既に心や体が限界に近づいているサインかもしれません。この場合は、職場の信頼できる上司や人事に相談し、場合によっては医師のアドバイスも取り入れて、自分の健康を最優先に考えることが重要です。
まずは「健康が第一」で、自分の体と心の状態を見つめ直しましょう。

「合わないポイント」は解消される見込みがあるか
次に考えたいのが、「合わない」と感じるポイントが解消される見込みがあるかどうかです。
例えば、仕事の進め方やスキル不足での悩みであれば、徐々に慣れたり周囲のサポートを得ることで改善される可能性があります。また、上司や同僚とのコミュニケーションが原因であれば、少しずつ自分の意見を伝えたり、相手の考え方を理解することで、状況が変わることもあります。
入社して間もないと、まだ職場のことを十分に理解できていない部分も多いものです。少し時間をかけて状況を見守り、合わないと感じる点が一時的なものか、改善の余地があるものかを冷静に判断しましょう。
「合わないポイント」が明確で、転職すれば解消される可能性があるか
「合わない」と感じている点が、自分の仕事や職場の状況に特有の問題なのか、それとも業界全体や仕事そのものに起因するものなのかを考えることも大切です。
もしも「自分が求めているのは、もっとクリエイティブな仕事なのに、今の職場ではそれが実現できない」といった、はっきりとしたミスマッチがあるなら、転職で解消できる可能性があります。次の職場で解決できる見込みがあるのであれば、転職を視野に入れるのがよいでしょう。
ただし、「また転職しても似た問題が繰り返されるのでは?」という不安がある場合は、自己分析や業界調査を進めたうえで、慎重に判断することをおすすめします。
どの職場でも直面する共通の問題であれば、視点を変えてどう向き合うか考えることが必要です。
働き続けることでメリットはあるか
最後に、今の職場で働き続けることでどのようなメリットが得られるのかも検討しましょう。
例えば、現在の業務でスキルアップが期待できたり、転職後すぐに辞めることでの経済的な不安がある場合は、もう少しだけ続けてみる価値があるかもしれません。
また、職歴として一定期間の経験があることが将来のキャリア形成にプラスになる場合もあります。
「この職場であと半年頑張れば○○が身に付く」「○○のスキルを磨ける」といった、続けることで得られるメリットが具体的に見えてくるならば、転職を急がず、計画的にタイミングを見計らうこともおすすめです。
入社3カ月で「転職先が合わない」は退職理由になる?
入社して3カ月で退職するとなると、転職活動にどのような影響があるのか不安になる方も多いでしょう。実際、短期間の離職は次の職場での評価に影響する可能性があるため、慎重に検討したいところです。
ちなみに、退職理由が「転職先が合わなかった」は、ほとんどの場合、自己都合退職扱いになります。
ここでは、3カ月での退職がキャリアにどう影響するか、また、その際に転職活動で気をつけるべきポイントについて解説していきます。

3カ月での退職は転職活動で不利になる?
一般的に、転職して3カ月での退職は次の転職活動で不利になることがあるとされています。
面接官や採用担当者は、履歴書で短期間の職歴を見て「この人はすぐに辞めてしまうのではないか?」と感じることがあるからです。「なぜそんなに早く退職したのか?」と質問されることも多く、短期離職の理由が明確でない場合、不安材料となることがあります。
ただし、不利になるかどうかは状況次第です。
例えば、仕事内容や職場環境が面接時の説明と全く異なり、どうしても適応できなかった場合や、健康上の問題が理由だった場合など、やむを得ない理由がある場合には、丁寧に説明することで理解を得られる可能性があります。
また、正直に「職場の文化や業務内容が合わなかった」という理由でも、「なぜ合わなかったのか」「次の職場ではどのような環境を求めるか」を具体的に話すことで、前向きな印象を与えることができるでしょう。

転職はあくまでマッチング。自分に合う職場は必ず見つかる!
転職して3カ月は、徐々に仕事や会社のことがわかってくるタイミングであり、知ったつもりで「自分に合わない」と感じることもありますが、辞めずに続けることで考えが変わることもあります。
一方で、その逆も然りです。
入社直後は感じていなかった、会社との不一致が浮き彫りになってくることもあります。
とはいえ、会社や自分を責めても意味がありません。なぜなら転職はあくまでマッチングであり、合う・合わないは誰にでもあることだからです。
大切なのは、常に冷静でいること。思い詰めすぎたりイライラを溜めすぎたりせず、どのカードを切る(もしくは切らない)ことがもっとも自分のためになるかを考えましょう。
その中には「短期離職し、転職」というカードもあるでしょう。
確かに3カ月などの超短期離職は選考で不利になることもありますが、戦略立てて挑むことで、そのハードルは越えられるはずです。
それでも、なかなか転職先が決まらないという方は、短期離職専門求人サイトの「Zerobase」を使ってみてはいかがでしょうか。
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