出戻り転職とは出戻り転職とは、一度やめた会社にもう一度戻るケースを指します。最近は「アルムナイ採用」という名前で正式に仕組み化する企業も出てきており、昔のように「裏切り」と見られる風潮は薄れつつあります。会社の文化をすでに理解しているため、再スタートしやすいのが特徴です。企業側にとっても、教育の手間をかけず即戦力として働いてもらえる点が大きな理由になっています。出戻り転職をする人は増えている?アルムナイ採用は、ここ数年で一気に広まりました。背景には、人手不足や中途採用のコスト増といった問題があり、企業側としては「元社員のほうが仕事を任せやすい」という本音があります。実際の現場では「入社初日から戦力になる」「文化の理解にギャップがない」といった声が多く、歓迎ムードが主流との声も。かつてのように「戻るなんてあり得ない」という考えは薄れ、むしろ出戻りのほうが安心と見る企業すらあります。採用難のなかで、企業と元社員の利害が自然と一致してきている状況といえるでしょう。参考:出戻り社員「アルムナイ採用」が増えた切実な事情 かつては"裏切り者扱い"も今や大歓迎だが…|東洋経済オンライン出戻り転職に関する調査マイナビの調査でも、この流れは数字として表れています。アルムナイ採用を前向きに捉えている企業はすでに多数派で、制度化に動く企業も増えています。一方の個人側でも、退職後に「前職の環境のほうが合っていた」と気づいて出戻りを選択肢に入れる人が増加。特に20代〜30代では、キャリアを柔軟に組み直す考え方が一般的になり、出戻りへの抵抗感が薄れています。つまり、企業と個人の両方が「出戻りはアリ」と考えるようになってきており、キャリアの選択肢として自然に定着しつつあるといえます。参考:2024年1月度 中途採用・転職活動の定点調査 | マイナビキャリアリサーチLab2024年6月度 中途採用・転職活動の定点調査 | マイナビキャリアリサーチLab転職に失敗して出戻りするメリット転職先が合わなかったとき、出戻りは後ろ向きではなく「立て直しのひとつの選択肢」と捉えられる流れが進んでいます。実際、出戻りだからこそ得られる強みもあります。ここでは、その中でも主要なメリットを紹介します。すぐに戦力として働ける安心感前職での経験がそのまま生きるため、業務の立ち上がりが早い点は大きなメリットです。仕事の進め方や社内システム、人間関係の空気感まで理解しているので、再び環境に慣れるための時間がかかりません。転職先で感じたギャップやストレスが強かった人ほど、「最初から理解されている場所に戻れる」ことは精神的な負担を軽くしてくれます。キャリアを立て直しやすい転職でうまくいかなかった理由が「仕事内容のミスマッチ」「人間関係」「働き方の価値観のズレ」のどれであっても、前職ではそれらをある程度把握してくれています。そのため、出戻りはキャリアの再構築がしやすいのが特徴です。退職前よりも視野が広がり、外の環境を知ったうえで戻ることで、仕事に対する向き合い方が変わる人もいます。結果として、以前よりも活躍しやすい状態が整いやすくなります。条件交渉の余地がある場合もすべての企業に当てはまるわけではありませんが、退職後のスキルアップや実績が評価され、前職より良い条件が提示されるケースもあります。特に人手不足が続く業界では、経験者を確保するために待遇を見直す企業もあります。もちろん過度な期待は禁物ですが、外で得た経験が前より必要とされる理由につながる可能性は十分あり得ます。転職に失敗して出戻りするデメリット・うまくいかない理由出戻りは選択肢として悪くないものの、いい面ばかりではありません。実際には「戻ったけどうまくいかなかった」という声もあります。ここでは、出戻りでつまずきやすいポイントを紹介します。周囲の期待が以前より高くなることがある元同僚から「一度出たんだから、それなりに成長して戻ってくるよね」と見られることはあります。誰かが意識的に圧をかけるわけではなくても、自然とハードルが上がってしまうんです。外で得た経験を活かせれば問題ないものの、環境が変わってしまい前と同じ成果を出しにくいケースもあります。「前よりできて当然」という空気にストレスを感じる人も少なくありません。仕事内容や人間関係が昔のままとは限らない出戻りを決める際、どうしても前職の良かった記憶を頼りにしがちです。過去は美化されるものです。ただ、会社は常に動いているので「戻ったら雰囲気が変わっていた」「チームのメンバーがほとんど入れ替わっていた」ということは普通にあります。条件が前より悪くなるケースもある企業側は「採用コストをかけずに経験者を確保できる」という理由で出戻りを歓迎することがありますが、待遇が必ずしも以前と同じとは限りません。役職が変わっていたり、給与テーブルの見直しがあったりと、戻ってみて初めてわかることもあります。そのため、条件を曖昧なまま戻ると、前回辞めた理由と同じ理由でまた辞めたくなる可能性も出てくるでしょう。出戻り転職が断られる場合に考えられる理由出戻りは前向きに受け入れられるケースが増えていますが、誰でも戻れるわけではありません。企業側にも事情がありますし、個人の退職時の状況によって判断が分かれることもあります。ここでは、断られがちなパターンを紹介します。会社の状況が退職時から大きく変わっている以前いたときと組織の体制が変わっていたり、部署が統合されていたりすると、そもそも受け入れ先が存在しないことがあります。人員計画や業務内容が見直されている途中だと、出戻りを受け入れる余裕がない企業もあります。「人が足りないなら戻れるはず」と思いがちですが、全体のバランスをとる必要があるため、企業としては簡単に判断できないのが実情です。退職時の印象が悪かったケースどれだけ能力が高くても、退職時のやり方が雑だったり、トラブルを残したまま辞めていたりすると、受け入れに慎重になります。引き継ぎが不十分だった人間関係の摩擦を残したまま辞めた突然の退職でチームが混乱したこうした記憶が残っていると「また同じことが起きるのでは?」と懸念されやすく、出戻りが難しくなります。スキルや経験が現在の求めるレベルと合わない企業側は、出戻りであっても「今の仕事にフィットするか」を冷静に判断します。退職から時間が空いていたり、会社の技術やルールが刷新されていたりすると、むしろ未経験者に近い扱いになることもあります。また、「戻るなら即戦力」と見られがちなので、求められるレベルが思っている以上に高いケースもあります。【企業向け】絶対に出戻りさせてはいけない退職者の特徴出戻りは、時に有効な採用ルートですが、誰でも戻せばいいわけではありません。むしろ「受け入れたことで職場が混乱した」という例もあります。ここでは、企業が慎重になるべき退職者の特徴をまとめます。読者の方は、ここに自分が当てはまらないかを確認しておくと、出戻りの可能性を判断する参考になるはずです。退職時にトラブルや揉め事を残した引き継ぎを雑に済ませ、周囲に負担をかけた突然の退職でチームに影響を与えた会社や上司の悪口を外部に広めた人間関係の衝突を複数の部署で起こしていた勤務態度に問題が多かった(遅刻・欠勤・報連相不足など)スキルや成果が在籍中に十分でなかった退職理由が「環境のせい」で自己分析が不足していた復帰後の役割に対する意欲が見えない採用条件だけにこだわり、組織貢献の視点が欠けている再三言いますが、出戻りは信頼関係の上で成り立つ採用方法なので、企業は慎重に判断する必要があります。裏を返せば、ここに該当しない人は、出戻りのチャンスがあるともいえます。転職失敗しても出戻りが歓迎される人の特徴出戻りは敬遠されるどころか、企業側から「戻ってきてほしい」と思われる人もいます。これは特別な才能があるからではなく、在籍中の姿勢や退職時の対応が評価されているからです。在籍中の成果や働きぶりに信頼があったチームワークを大切にし、周囲との関係を丁寧に築いていた退職時に丁寧な引き継ぎを行った辞める理由を感情的にせず、誠実に伝えていた外で得たスキルや経験を前向きに語れる戻ったあとに果たしたい役割をイメージできている給与や待遇より、働く環境や仕事内容を重視している会社の文化や価値観にフィットしていた退職後も職場の人との関係を良好に保っていた「戻りたい理由」が整理されている出戻りは「気まずさのある選択」と思われがちですが、企業は意外と冷静に「一緒に仕事をしたい人かどうか」で判断しています。上のポイントに当てはまる部分が多いほど、前向きに受け入れてもらえる可能性は高いでしょう。転職失敗後の出戻り体験談ここでは、よくあるケースをもとにした体験談を紹介します。自分の状況と照らし合わせながら、判断材料にしてみてください。出戻りして成功した例広告代理店で働いていたMさん(29歳)は、忙しさから一度別業界へ転職しました。しかし想像以上に業務が単調で、やりがいを感じられず半年で悩むように.……。前職の上司に相談したところ「戻りたい気持ちがあるなら遠慮しなくていい」と声をかけてもらい、再入社を決意しました。復帰後は、外で得た経験を活かして新しい案件を任されるようになり、以前より役割が広がりました。Mさん自身も「環境が合っていたのはこっちだった」と実感。周囲のサポートも厚く、結果としてキャリアを立て直すきっかけになったケースです。出戻りして失敗した例一方、システム会社から別企業に転職したSさん(32歳)は、前職に戻ったもののギャップに苦しむことに……。復帰した部署は大幅な組織改編が行われており、知っているメンバーがほとんどいない状態でした。「前と同じように働けるはず」と思っていたものの、仕事内容もルールも変わっており、即戦力として見られるプレッシャーだけが残ってしまったそうです。最終的には再度離職することになり、「戻る前にもっと確認すべきだった」と振り返っています。転職失敗後にスムーズに出戻り転職するコツ出戻りは「戻りたい」と思った瞬間に動けばいいわけではありません。伝え方や準備次第で、受け取られ方が大きく変わります。ここでは、実際に戻った人がよくやっている3つのポイントをまとめました。戻りたい理由を整理して、誠実に伝えるまず大切なのは「なぜ戻りたいのか」を自分の中で整理しておくことです。「転職先が合わなかったから」という事実だけだと説得力が弱いので、前職で感じていた良さや、自分の強みをどう活かせるかまで言語化すると伝わりやすくなります。余計な言い訳やネガティブな話を広げず、淡々と状況と気持ちを伝えるほうが好印象になりやすいです。戻る前に「いまの職場がどう変わったか」を確認する出戻りがうまくいかなかった人の多くが「前の環境がそのまま残っていると思い込んでいた」というパターンです。組織変更、上司の異動、チームの人数、働き方のルールなど、細かな変化が積み重なって仕事のやり方は大きく変わります。戻る前に、信頼できる同僚や上司に現状を聞いておくとギャップが減り、ミスマッチを回避しやすくなります。相談するタイミングと相手を間違えない出戻りは、誰に最初に相談するかでスムーズさが変わります。上司と人事の関係性や社内ルールによって進め方が違うため、まずは自分をよく理解してくれている上司や、人間関係が良かった先輩に話すのが安全です。また、繁忙期や組織がざわついている時期は避けたほうが、丁寧に対応してもらいやすくなります。【FAQ】転職失敗後の出戻りに関するよくある質問出戻りについて調べていると、誰もが同じような疑問に行き着きます。ここでは、特に聞かれることが多い4つの疑問を解決します。出戻り転職は早いほうがいい?結論として、早すぎて困ることはほとんどありません。長く時間が空くほど組織が変わりやすく、あなた自身のスキルセットも前職と離れていきます。迷っている場合は、まずは相談だけでも早めに動きましょう。出戻りしたときの給料や待遇は?以前とまったく同じとは限りません。組織改編や給与テーブルの変更が影響することがあります。一方で、退職後に得た経験が評価されて前より好待遇になるケースもあります。曖昧なまま決めず、選考段階である程度確定させましょう。年齢によって出戻り転職の難易度は変わる?多少の差はありますが、年齢よりも在職中の評価や退職時の姿勢が重視されます。特に30代前半までは柔軟に受け入れられることが多く、40代以降は役割の期待値が上がるぶん、即戦力性が見られやすい傾向があります。出戻り転職をするときの志望動機は?「前職が恋しくなった」だけだと明らかに弱く見えます。前職で感じていた良さ外で得た経験戻ったあとにどんな役割を果たせるかこの3つをシンプルにまとめると、納得してもらいやすくなります。転職失敗で短期離職しても出戻り以外の選択肢はある出戻りは悪い選択肢ではありませんが、「戻るのは違う」「新しい業界に挑戦したい」と感じる人も多いはずです。ただ、離職期間が短かったり、実務で活かせるスキルが見えにくかったりすると、転職活動そのものがしんどくなる場面があります。また、自分では気づきにくい企業との「相性の悪さ」が原因で、同じ失敗を繰り返してしまう人もいます。そんなときに使ってほしいのが 短期離職者向け転職サービス「Zerobase」 です。このサービスに求人を出している企業は、短期離職への理解がある会社ばかり。表面的な経歴ではなく、その人が持つ価値観や働き方のスタイルを重視しています。だからこそ、「短期間で辞めた」という事実だけで判断されにくいのが特長です。さらに、Zerobaseには求職者だけでなく企業側も受ける「働き方診断」があります。同じ指標で価値観を可視化するため、働く環境や仕事の進め方がフィットしやすく、入社後のギャップが小さくなります。出戻り以外の道を探したい人にとって、Zerobaseは次のキャリアを丁寧に選び直す手がかりになるはずです。必要以上に焦らず、自分に合う環境を見つけたい人は、まず診断から始めてみてくださいね。