30代前半というキャリアの節目に、3回の短期離職を経験したゆうきさん。
深夜3時まで及ぶ設計事務所での激務、塾での退職勧奨、そして食品会社の倒産と、短期間に波乱万丈な経験を重ねました。
当初は「とにかく勢いのある会社を」と選んでいた彼女ですが、相次ぐ離職を経て「自分にとって何が大切か」という優先順位に気づいたと言います。
短期離職を「会社を見る目を養うプロセス」と捉え、現在はフリーランスとして活躍する彼女に、当時のリアルな心境を語っていただきました。
Zターン編集部ゆうきさん、本日はインタビューにご応募いただきありがとうございます!どうぞよろしくお願いします。
Zターン編集部ゆうきさんは30代前半に3回の短期離職を経験されているとのことですが、その中でも特に「これは大変だった……」と印象に残っているのはどちらの会社ですか?
ゆうきそうですね……やっぱり設計事務所ですね。とにかく激務で、朝の8時半から、遅い時は夜中の3時ぐらいまでずっと仕事をしていました。
Zターン編集部ええっ、深夜3時ですか!? それは……想像を絶しますね。半年ほど在籍されたとのことですが、入社前にそういったお話はなかったんですか?
ゆうき求人サイトには「労基法に違反しない程度には残業がある」と書いてあったんです。でも実際は全然違いました(笑)。
Zターン編集部それは「話が違う」となりますよね……。いつ頃から違和感を感じ始めたのでしょうか。
ゆうき入って1週間ぐらいですね。私は顔が「仕事ができそう」に見えるらしくて、新人の私に「これを任せるの?」というような重い業務がほぼ最初からでした。総務で入ったのに、なぜか社長の営業に同行したり、飲み会に付き合ったり……。
Zターン編集部総務の仕事を超えて、社長の秘書のような状態だったんですね。
Zターン編集部その状況で半年間。最終的に「もう辞めよう」と思った決定的なきっかけは何だったんですか?
ゆうき大きなプロジェクトを任されていて、それが終われば楽になると思っていたんです。でも、いざ終わっても激務は変わらなくて……。ある時、ガタが来て突然体が動かなくなって、1日お休みをいただいたんです。
Zターン編集部体が悲鳴を上げてしまったんですね……。
ゆうきそれで翌日出社したら、ものすごく怒られたんです。「誰に断って休んでるんだ」「あなたが休んでみんなにどれだけ迷惑がかかったと思ってるんだ」って……。
Zターン編集部ええ……体調を崩して休んだのに、その言い方はあまりにひどいです。
ゆうきその瞬間、「あ、こんなに社員を大切にしてくれない会社なら、もういいや」と吹っ切れて。「じゃあ今辞めます」と言って、そのまま帰りました。
Zターン編集部まさに「サクッと」決断されたんですね。でも、その怒りが逆に辞める後押しをしてくれたような。
ゆうき本当にそうです。逆に辞めやすい空気を作ってくれたというか(笑)。心は強いほうだと思っていましたが、体が先に限界でしたね。
Zターン編集部他の2社についても少し伺えますか? 塾と食品会社ですよね。
ゆうき塾は、私に適性がなかったこともあって、向こうから「退職勧奨」のような形になりました。でも納得がいかなかったので、労働基準監督署に相談して戦いました。結局、解決金として1ヶ月分の給与をもらって、会社都合での退職として処理させました。
Zターン編集部おお……! 泣き寝入りせずにちゃんと戦ったんですね。すごいです。
ゆうき食品会社の方は、もう単純に倒産してしまったんです。社長の経営手腕の問題だったと思います。
Zターン編集部倒産ですか……。短期離職がこれだけ続くと、当時は「次が見つかるかな」という不安はなかったですか?
ゆうき不思議となかったですね。30代前半ならまだ全然いける、と思っていました。実際、トントンと次の仕事が決まっていったんです。私はなぜか年配の「ワンマン社長」に好かれるタイプだったみたいで(笑)。
Zターン編集部その後はカーリースの営業事務として10年以上長く勤められたそうですね。その会社はどうやって選んだのですか?
ゆうきそれまでの経験から「ワンマン社長が支配している小規模な会社は絶対に嫌だ」という明確な基準ができました。だから、本社が別の場所にあり、一定の規模がある会社を選びました。
Zターン編集部過去の苦い経験が、しっかり「会社選びの軸」になったんですね。
ゆうきそうですね。短期離職を繰り返したことで、やっと「会社を見る目」が養われたんだと思います。今の自分から当時の自分に言うなら「ワンマン社長の会社はやめとけ」と言いたいです(笑)。
Zターン編集部説得力が違いますね(笑)。最後に、今短期離職で悩んでいる方へメッセージをいただけますか?
ゆうき今は人手不足ですし、日本は失業保険などの制度も手厚いです。心を壊してしまったら、元に戻るのにものすごく時間がかかります。「嫌だ」という直感は、時間が経ってもあまり変わりません。自分を大切にするために、早く逃げる勇気を持ってほしいなと思います。
Zターン編集部ゆうきさんの歩んできた道のりを聞いて、救われる読者も多いと思います。本日は貴重なお話を本当にありがとうございました!
ゆうきさんのインタビューで印象的だったのは、過酷な環境に身を置きながらも、最後は「自分を大切にしない場所にはいられない」と毅然とした態度で決断されている点です。
短期離職を3回経験しても、その後10年以上続く「ホワイトな環境」を見つけられたのは、失敗をただの汚点にせず、「自分にとって何が大切か」という優先順位を整理するための材料に変えたからでしょう。
彼女の「直感を信じて逃げていい」という言葉は、今苦しんでいる人にとって大きな希望になるはずです。