「人の尊厳を守る介護」への理想と、現場のギャップに悩んだ2年間。夜勤による体調不良を乗り越えた先に

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「人の尊厳を守る介護」への理想と、現場のギャップに悩んだ2年間。夜勤による体調不良を乗り越えた先に

新卒で「社会に貢献したい」という強い志を持って介護業界へと進んだヤマモトさん。

しかし、彼女を待ち受けていたのは、理想とする「尊厳を重んじるケア」と、ベテランスタッフによる「自己流のやり方」との板挟み、そして夜勤による心身の限界でした。

2年間の葛藤の末に退職を選んだ彼女は、その後どのようにして自分らしい働き方を見つけたのでしょうか。

現在はホテルの客室清掃スタッフとして4年以上安定して勤務しているヤマモトさんに、短期離職当時のリアルな心境と、今だから言えるアドバイスを伺いました。

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▼ヤマモトさんのプロフィール▼

項目

内容

ニックネーム

ヤマモト

現在の年齢

30歳

性別

女性

短期離職したときの年齢

24歳

短期離職した会社の業種・職種

サービス業/介護職

在籍期間

2年

短期離職の回数

1回

現在の状況

ホテルの客室清掃スタッフ(勤続4〜5年)

「需要があり、貢献できる」介護業界を志した新卒時代

Zターン編集部
ヤマモトさん、本日はインタビューにご参加いただきありがとうございます!私自身も短期離職を経験しているので、今日は正解を求めず、当時の率直なお話を聞かせてください。
ヤマモト
よろしくお願いします。
Zターン編集部
では、新卒で介護業界を選ばれた理由から教えていただけますか?
ヤマモト
社会に出るにあたって「需要があり、人々に貢献できる仕事」にやりがいを感じるのではないかと思ったからです。それで介護業界に絞って、就職サイトでいろいろな企業を回っていました。
Zターン編集部
志望度は高かったのですね。入社前はどのような働き方をイメージしていましたか?
ヤマモト
介護というと「汚い」とか「流れ作業」というイメージが強かったのですが、その会社は「人の尊厳を守り、流れ作業にしない介護」を掲げていたんです。そこに魅力を感じて、希望を持って入社しました。

主任の教えとベテランスタッフの「自己流」。現場の板挟みと夜勤の限界

介護の仕事で板挟みになるヤマモトさん

Zターン編集部
理想の介護を目指して入社されたわけですが、実際に働いてみて最初に違和感を感じたのはどのような点でしたか?
ヤマモト
主任は会社の方針通り「尊厳を大切にするケア」を教えてくれたのですが、パートの方や他から転職してきたベテランの方は、どうしても自分の「自己流」を押し付けてくるんです。
Zターン編集部
現場での方針がバラバラだったのですね……。
ヤマモト
そうなんです。主任の言う通りにやると、ベテランの方から影口を叩かれたり、いじめられたりするんじゃないかと葛藤がありました。自分を守るためにどう振る舞えばいいのか、半年も経たないうちに違和感を感じ始めました。
Zターン編集部
その違和感を抱えながらも、2年間続けられたのですね。最終的に退職を決めた決定的なきっかけは何だったのでしょうか?
ヤマモト
精神的な疲れに加えて、身体的な限界が大きかったです。夜勤が多くて生活リズムが崩れ、今まで健康だったのに動悸がし始めたりして。「私ってこんなはずじゃないのにな」と、体調の悪化をきっかけに決断しました
Zターン編集部
深刻な人手不足の業界ですが、辞めると伝えた時の会社の反応はどうでしたか?
ヤマモト
「人が足りなくなるから辞めないでほしい」とかなり引き止められましたが、自分の中ではもうそこに留まる気は全くなかったので、バッサリとお断りしました。

1年間の休養を経て出会った、自分らしく働ける「ホテルの清掃」

ヤマモト
まずは生活リズムを取り戻すために、精神的にも身体的にもしっかり休もうと決めていました。失業保険をもらいつつ、貯金を崩しながらハローワークでゆっくり仕事を探しました
Zターン編集部
その後、ホテルの客室清掃スタッフとして働かれ、今はもう4〜5年になるのですね。今の仕事との相性はいかがですか?
ヤマモト
かなりバランスよく続けられています。自分に合っているなと感じますし、前の職場とは全然違いますね。現状、退職は全く考えていません。
Zターン編集部
素晴らしいですね!今振り返ってみて、2年で辞めたことはどう感じていますか?
ヤマモト
本当は3年くらいは続けたいと思っていましたが、自分の心身のことを考えると、あの時辞めて良かったんだと思います。これ以上続けていたら、もっと悪くなっていたはずですから。
Zターン編集部
後悔はない、とういうことですね。当時の自分や、今短期離職で悩んでいる新卒の方々にメッセージがあればお願いします。
ヤマモト
「若いうちは色々な世界を見て、挑戦して、やりたい仕事に就けばいいんだよ」と言ってあげたいです。一人で殻にこもらず、誰か自分のことを分かってくれる人を見つけて喋ってみてください意外と通じ合える人がいて、何かが変わるかもしれません
Zターン編集部
温かいアドバイス、ありがとうございます。山本さん、本日は貴重なお話を本当にありがとうございました!
ヤマモト
ありがとうございました!

編集部コメント
ヤマモトさんの体験は、新卒時の「高い理想」と、現場の「硬直化した人間関係」とのミスマッチが引き起こす苦悩を浮き彫りにしています。特に介護現場における指導方針の不一致は、真面目な若手ほど板挟みになり、精神を消耗させてしまう要因となります。しかし、彼女が自身の体調不良というサインを見逃さず、周囲の引き止めを振り切って「バッサリ」と決断したことは、その後の安定したキャリアへの大きな一歩となりました。

一度立ち止まり、1年という時間をかけて生活リズムを整えたからこそ、今の「自分に合う仕事」に出会えたのでしょう。短期離職は決して失敗ではなく、広い世界の中から自分に最適な場所を見つけ出すための、前向きな「軌道修正」であると教えてくれるインタビューでした。

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