新しい職場で思うように仕事ができないと、本採用してもらえるか不安になりますよね。
ただ、試用期間中だからといって、会社が自由に社員をクビにできるわけではありません。
一方で、重大な勤務態度の問題や、採用時に約束した能力との大きなズレなどがあれば、本採用を見送られる可能性はあります。
この記事では、試用期間でクビになる人の特徴や実際の確率を解説します。

新しい職場で思うように仕事ができないと、本採用してもらえるか不安になりますよね。
ただ、試用期間中だからといって、会社が自由に社員をクビにできるわけではありません。
一方で、重大な勤務態度の問題や、採用時に約束した能力との大きなズレなどがあれば、本採用を見送られる可能性はあります。
この記事では、試用期間でクビになる人の特徴や実際の確率を解説します。

試用期間は、会社が実際の働きぶりを見ながら、仕事や職場への適性を確かめる期間です。
そのため、仕事が多少遅かったり、入社直後にミスをしたりするだけで、すぐクビになるわけではありません。
一方で、仕事の能力以前に、雇用を続けるうえでの信頼関係が崩れてしまう行動は、本採用拒否につながることがあります。
試用期間中に特に注意したいのが、勤怠の問題です。
会社にとって、決められた時間に出勤して仕事をすることは、雇用を続けるうえでの基本。
そのため、無断欠勤や遅刻が何度も続くと、仕事を任せにくいと判断される可能性があります。
ただし、一度遅刻しただけでクビにできるわけではありません。
病気や交通機関のトラブルなど、本人にやむを得ない事情があったか、どの程度業務に影響したかも判断材料になります。
履歴書や面接で伝えた内容に重大な嘘があった場合も、クビになる理由の一つです。
例えば、資格が必要な仕事なのに、その資格を持っていると偽って入社したケース。採用の前提が崩れてしまうため、解雇が認められる可能性があります。
一方で、履歴書の軽微な記載ミスや、自己PRで多少大げさに表現したことまで、すべて重大な経歴詐称になるわけではありません。
ポイントは、その事実を採用前に知っていたら、会社は同じ条件で採用していたかという点です。
仕事を覚えるのが遅いこと以上に、指導への向き合い方が問題になるケースもあります。
例えば、上司から業務上のミスを指摘されても、毎回ほかの人のせいにしたり、正当な指示に対して暴言を吐いたりする場合です。
もちろん、上司の指示に疑問を持ったり、自分の意見を伝えたりすること自体は問題ありません。
ただ、周囲とのトラブルが繰り返され、仕事に支障が出ている場合は、会社が雇用を続けるのは難しいと判断することがあります。
会社から指示された仕事を、正当な理由なく拒否し続けることも、本採用拒否につながる可能性があります。
例えば、担当業務として決められている仕事を何度も拒否し、注意されても対応を変えないケース。
ただし、会社の指示なら何でも従う必要があるわけではありません。
労働契約にない無理な要求や、違法・危険な作業などについては、指示そのものが適切かを確認する必要があります。
試用期間中に社員が解雇される確率を、全国一律で示した最新の統計は確認できません。
ただし、企業側がどれくらい本採用拒否を経験しているかを示す調査はあります。
労働政策研究・研修機構(JILPT)が2004年に実施した調査では、試用期間を設けている企業のうち、過去5年間に本採用を拒否したことがある企業は13.1%でした。
一方、本採用しないことはあるものの、過去5年間に実際の事例がなかった企業は58.0%でした。
調査結果 | 企業の割合 |
|---|---|
過去5年間に本採用拒否の事例がある | 13.1% |
本採用拒否の可能性はあるが、過去5年間に事例がない | 58.0% |
※試用期間を設けている企業を対象にした調査。2004年時点の結果です。
出典:厚生労働省「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会資料」
ここで注意したいのは、13.1%という数字は「社員がクビになる確率」ではないこと。
例えば、100人を採用して1人だけ本採用を見送った会社も、調査上は「本採用拒否の事例がある企業」に含まれます。
また、20年以上前の調査なので、現在も同じ割合とは限りません。
この数字から分かるのは、試用期間での本採用拒否は実際に起こっているものの、すべての企業で当たり前に行われているわけではないということです。
試用期間という名前から、会社が社員を自由に試せる期間だと思われがちです。
しかし、一般的な正社員の試用期間では、入社した時点ですでに労働契約が成立しています。
そのため、試用期間の終了時に「本採用は見送ります」と言われた場合も、通常は法律上の解雇にあたります。
ただし、試用期間は社員の適性を判断するために設けられているため、通常の解雇よりも広い範囲で認められる余地があります。
それでも、会社側には客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が必要です。
これは、最高裁の「三菱樹脂事件」でも示された考え方です。
つまり、「試用期間だから辞めてもらう」だけでは理由にならず、なぜ雇用を続けられないのかが問われるということです。
無断欠勤や重大な経歴詐称といった明らかな問題がなくても、試用期間中に評価が下がってしまう人はいます。
ここで注目したいのは、仕事ができるかどうかだけではありません。
同じミスをしていても、上司に状況を共有できている人と、何も伝えずにいる人では、受け取られ方が変わります。
採用担当者や上司に、どのような行動が不安材料として映りやすいのかを見ていきましょう。
入社直後は、分からないことがあって当然です。
ただ、質問するのが苦手で、分からないまま仕事を進めてしまう人もいるでしょう。
例えば、作業手順が曖昧なまま進めてミスをしたり、納期に間に合わないことを直前まで報告しなかったりするケースです。
会社側としても、仕事を覚えるのが遅いだけなら教育でカバーできますが、何につまずいているのか分からなければ、フォローしにくくなります。
特に入社直後は、すべてを一人でこなせることよりも、適切に相談・報告できるかが重要になる場面もあります。
新人のうちは、多少のミスがあっても珍しくありません。
ただ、何度も同じ指摘を受けているのに、仕事の進め方が変わらない場合は注意が必要です。
例えば、書類の入力ミスを繰り返しているのに、チェックリストを作ったり、確認方法を変えたりしていないケースです。
会社側は「ミスをした」という結果だけでなく、「指摘を受けて何を変えたか」も見ています。
ミスがすぐになくならなくても、改善のために行動していることが伝われば、評価は変わるかもしれません。

特に中途採用で問題になりやすいのが、採用時の期待と実際の能力のズレです。
例えば、面接で「Excelは問題なく使えます」と伝えていたのに、実際には基本的な関数の操作も難しかった場合。
会社側は、そのスキルを前提に仕事を任せようとしているため、想定していた教育コストや業務計画が変わってしまいます。
もちろん、入社直後からすべての仕事を完璧にこなせる必要はありません。
ただ、「できると言っていたこと」と「実際にできること」の差が大きいほど、会社との信頼関係に影響しやすくなります。
面接では無理に自分を大きく見せず、できることと経験が浅いことを分けて伝えるほうが、入社後のミスマッチも防ぎやすくなるでしょう。

ここまで本人の行動について紹介しましたが、試用期間中の解雇や本採用拒否は、必ずしも本人だけに原因があるわけではありません。
採用時の見極めが甘かったり、教育体制が整っていなかったりする企業では、入社後に「思っていた人材と違う」というズレが起きやすくなります。
実際に、エン株式会社が2026年2月に公表した「2025年 採用トラブル実態調査」では、人事担当者1,000人のうち57.7%が、直近1年間に採用ミスマッチを経験したと回答しています。
また、採用判断で「面接官の直感・印象」に依存しているという回答も45.0%ありました。
採用時の判断が曖昧だと、入社後に評価が食い違う可能性もあります。
では、どのような企業に注意すればよいのでしょうか。
面接で「明るくて感じがいい」「やる気がありそう」と評価されて採用されたものの、入社後に求められる能力がまったく違っていた。
そんなケースも考えられます。
例えば、未経験歓迎の営業職として採用されたのに、入社後すぐに新規顧客の開拓を一人で任されるような場合です。
会社側が必要なスキルや仕事内容を具体的に整理せず、面接の印象だけで採用していると、入社後に期待とのズレが生じやすくなります。
こうした企業では、採用した側の見極め不足が、本人の能力不足として扱われてしまう可能性もあります。
「未経験歓迎」「丁寧に教えます」と求人票に書いてあっても、実際の教育体制が整っているとは限りません。
特に人手不足の職場では、教育担当者自身が忙しく、十分に新人をフォローできないこともあるでしょう。
その結果、本人は仕事を覚えたくても覚えられず、会社側は「いつまでたっても戦力にならない」と不満を抱くという悪循環が生まれます。
「未経験者を採用していること」と「未経験者を育てられること」は別です。
「積極性が足りない」「うちの社風に合わない」「もっと主体的に動いてほしい」
こうした指摘を受けても、何をどう改善すればよいのか分からないことがあります。
仕事の成果や必要なスキルではなく、上司の好みや感覚で評価が決まる職場では、本人も改善の方向性をつかみにくくなります。
ただし、評価基準が曖昧だからといって、その企業が必ず不当解雇を行うわけではありません。
注意したいのは、指摘される内容が抽象的なままで、改善するための具体的な説明もない職場です。
企業によっては、試用期間を採用後のミスマッチを確認する期間として強く意識している場合があります。
もちろん、働きぶりを確認すること自体は試用期間の本来の目的です。
ただし、採用時に十分な説明をせず、入社後に少しでも期待と違えば辞めてもらえばいいと考えているなら問題です。
例えば、求人票では長期雇用を前提としているのに、面接で次のような説明を受けた場合は注意しましょう。
こうした説明だけで違法な企業だとは判断できませんが、採用や教育に対する考え方を見極める材料にはなります。
特に「試用期間中なら自由にクビにできる」と説明された場合は、法律上の取り扱いと異なるため注意が必要です。
試用期間中に高い評価を得るために、最初から完璧に仕事をこなす必要はありません。
むしろ入社直後は、仕事を覚える姿勢や、周囲とのコミュニケーションの取り方が大切になる場面もあります。
仕事を任されたら、完成するまで一人で抱え込むのではなく、途中経過も共有しましょう。
特に未経験の仕事では、質問しないことよりも、分からないまま進めて大きなミスになることを避けたいところです。
進捗を共有しておけば、仕事が遅れている原因が本人の能力なのか、業務量や指示内容にあるのかも整理しやすくなります。
ミスを指摘されたら、ただ謝るだけで終わらせないことも大切です。
また、上司からの評価が曖昧な場合は、「次の面談までに何ができるようになればよいですか?」と具体的に聞くのも有効です。
改善するための基準が明確になれば、自分の成長を確かめやすくなりますし、会社側との認識のズレも防ぎやすくなります。
試用期間中は、どうしても「会社に評価される側」という意識が強くなりがちです。
ただ、本来は働く側にとっても、その会社で長く働けそうかを確かめる期間でもあります。
入社直後のミスマッチに悩んでいる場合は、「キリカエテ」のような診断サービスを活用し、仕事を続けるべきか、環境を変えるべきかを整理するのも一つの方法です。
大切なのは、自分に改善できることと、会社側に改善してもらう必要があることを分けて考えることです。

「これ以上頑張っても本採用されないかもしれない」と感じたときは、単に上司の態度を気にするのではなく、今の職場で何が起きているのかを確認してみましょう。
特に見るべきなのは、次のポイントです。
確認したいこと | 判断のポイント |
|---|---|
何を改善すべきか説明されているか | 具体的な課題や目標が示されている |
仕事を教えてもらえる環境があるか | 教育担当者や相談先が決まっている |
改善する時間が与えられているか | 現実的な目標と期間が設定されている |
評価の基準に一貫性があるか | 上司によって指示や評価が大きく変わらない |
入社前の説明と仕事内容が合っているか | 想定していた業務と実態に大きなズレがない |
例えば、仕事が遅いと指摘されても、何を改善すればよいか説明してもらえ、練習する時間も確保されているなら、会社側も育成を考えている可能性があります。
一方、具体的な指導もないまま「向いていない」「期待外れ」と言われ続けているなら、本人の能力だけでなく、会社側の評価方法にも問題があるかもしれません。
ただし、会社の評価に納得できないからといって、すぐに自主退職を選ぶ必要はありません。
特に、会社から退職を勧められている場合は、本人の意思で辞めるのか、会社から解雇されるのかによって、その後の扱いが変わる場合があります。
試用期間中に本採用を見送られたり、短期離職を考えたりすると、「自分はどこへ行っても仕事ができないのでは」と不安になるかもしれません。
ただ、試用期間で評価されなかったからといって、ほかの会社でも同じ結果になるとは限りません。
例えば、教育体制が整った会社なら仕事を覚えられる人もいれば、細かい指示がある環境より、自分の裁量で進められる職場のほうが力を発揮しやすい人もいます。
また、採用時に求められていた役割が曖昧だったり、入社後に仕事内容が変わったりするなど、会社側の事情が影響していることもあります。
大切なのは、今回の経験から「自分は何が苦手だったのか」だけでなく、「どんな環境なら働きやすいのか」まで整理することです。
短期離職者向けの就職・転職プラットフォーム「Z-base」では、短期離職に理解のある企業を探しながら、自分の強みや仕事への適性を整理できます。
また、「働き方タイプ診断」を活用して、自分に合う働き方やストレスを感じやすい環境を知ることも、次の職場選びの参考になるでしょう。
試用期間での評価だけで、今後のキャリアが決まるわけではありません。
自分の行動を振り返るだけでなく、企業側の採用や教育体制にも目を向けながら、次こそ長く働ける職場を探していきましょう。
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